猫とボイジャー1のお話の続きです。今度は私が書きました。
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猫とボイジャー1は、気まぐれに語ったり、ウトウトしながら、なにもない惑星間空間を飛んでいました。
ボイジャー1は猫が宇宙のことと、1970年代の地球の知識に富んでいることを知りました。
反対に最近の地球の事は全く知らないこともです。
ある日ボイジャー1は送るデータに不具合があることに気づきました。
「猫くん、地球に送るデータがなんだかおかしいんだが、君はコンピュータは詳しいかい?」
「にゃあ、知ってるにゃ。コンピュータは上に乗るとほんのり温かいにゃ」
「そうか、それはとても詳しいね」
ボイジャー1はNASAのスタッフが直してくれるまで、この状態のまま、下手をすると更に悪くなる・・・と悩みました。
「にゃ?困っているにゃか?」
猫はスルスルとボイジャー1のボディを登っていきます。
「猫くん、そうなんだよ。コンピュータがちょっと欠けてしまったようだ」
「にゃ~、では地球に行ってくるにゃ!」
猫はそう言って消えたのでした。
NASAではボイジャー1のデータ異常に気づき、対策を始めていました。
しかし古いシステムであり、当時開発を担当したエンジニア達はすでに退職し、行き先が分かりません。
困ったスタッフが昔の資料を探すことにしました。
それでも膨大な敷地内です。探すところすら皆目見当もつきません。
困ったスタッフが廊下を歩いている時、倉庫の扉前で「ニャーン」という声を聞きました。
「猫?いや猫なんか入れないはず」
スタッフはおそるおそる倉庫の扉を空けました。
そこには黒い猫がいるではないですか。
「ニャーン」猫はひとなきして、消えてしまいました。
びっくりしたスタッフは驚いてその場を確認しましたが、どこにも猫はいません。
不思議に思いつつ、資料室の棚眺めると、ボイジャー1のコンピューター関係の資料が並んでいるのを見つけました。
スタッフは大急ぎで他の仲間を呼び、膨大な資料を運び出しました。
しばらくして、スタッフは資料から発見したボイジャー1のプログラマーの家へ出向きました。
プログラム修正のアドバイスを求めるためです。
プログラマーは喜んで対応してくれることになりました。
その時、スタッフは、デスクに飾られている古い写真が気になりました。写真には男性が猫を抱いて穏やかに笑っている姿が写っています。
プログラマーは、その男性はボイジャー1のシステムの根幹を作った人だったと説明しました。
スタッフの目は、SEの男性よりも男性に抱かれている猫に釘付けでした。写真の猫と、自分が倉庫で見た猫がそっくりだったのです。
ボイジャー1の前に、また黒猫が現れました。
「猫くん、戻ってきてくれて嬉しいよ」
「にゃあ、ちょっと地球まで行ったにゃ。新しい美味しそうなごにゃんがあったにゃ」
「それは良かったね。地球にとどまって、美味しいものを食べなくても良かったのかい?」
「にゃあ~、にゃあはお星さまに行きたいにゃ。御主人様がお星さまになったからにゃ」
「そうか、では一緒に星まで行こう。私の目標なんだよ」
その後、ボイジャー1にはNASAから修正プログラムが送られてきて、また宇宙空間の情報を送ることができるようになったのでした。
ボイジャー1と猫は、また楽しく、ゴロゴロしながらのんびり宇宙空間を星に向かって移動していくのでした。
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実際過去にボイジャー1はシステム不具合を起こしてデータ異常が発生。NASAスタッフにより修正がされました。